3年B組金八先生(第1シリーズ)
たのきんトリオの原点となったのは1979年放送のTBS「3年B組金八先生(第1シリーズ)」。
出演にあたり、「3年B組金八先生」のオーディションを聞きつけたジャニー喜多川氏が急遽担当プロデューサーに「とりあえず会ってください」とお願いし、ジャニーズ事務所から10人を紹介。
既にオーディションは終了していたものの、田原俊彦、野村義男、近藤真彦の3人が抜擢され、生徒役で出演することとなった。
3人は「悪ガキトリオ」「金八トリオ」と呼ばれながら、テレビや雑誌などで注目された。
最高視聴率39.9%を記録し、「金八先生」の注目度が高まるとともに3人の人気も爆発。
これによって当時低迷期だったジャニーズ事務所復権の起爆剤となった。
その後も、「2年B組仙八先生」(TBS系・1981年)にシブがき隊の3人が生徒役で出演(当初は「仙八トリオ」と呼ばれていた)。
「金八先生」の続編シリーズにも毎回、ジャニーズ事務所からデビュー前の新人が選ばれている。
3年B組金八先生(第1シリーズ)は全23話が放送されたが、たのきんの3人がそれぞれメインとなって出演した放送タイトルは以下の通り。
■第3話「君は裸のビーナス」(野村義男)
年上の女子高生に一目惚れするという梶浦裕二役をヨッちゃんが見事に好演。銭湯の息子という設定で、たまたま番台の手伝いをしていると、
気になる女子高生が客としてやってきて、偶然にも服を脱ぐ様子を目撃してしまうヨッちゃん。
金八先生は昔の思い出話や下ネタを交えながらヨッちゃんを励ますのだが、金八が妄想するヨッちゃんに「溜まってんだろ?今晩カイとけよ。」とアドバイスをする
シーンはウケる・・・。(視聴率16.9%)
■第7話「学ラン長ラン大混ラン」(近藤真彦)
マッチ演じる星野清が突然、長ランを身にまとって登校。クラスの仲間にも長ランが広がるなか、金八は不良言葉を覚え、長ランにサングラスをかけ下駄履の格好で生徒たちと街を歩くことで、彼らと向き合い、なぜ長ランを身に着け始めた理由を聞き出す。 そして金八は自分の中学時代の体験談を交え、皆苦しんでいるんだと説く・・・。 とにかく時代なのか、きっと今の若者が見ると「え?これダサくない?」って言うでしょうね。しかし今見ても痛快でコミカルな放送作品に仕上がっています。当時のマッチらしさと魅力が溢れる作品です。 (視聴率19.9%)
■第11話「母に捧げるバラード」(田原俊彦)
金八は3年B組の生徒たちと海援隊の正月ライブへ行き、「母に捧げるバラード」の曲に感激する。興奮した金八はその帰り道、親のいない沢村正治(田原)の前でつい母親の自慢話をしてしまうのだった・・・。
金八と一緒にコンサートへ行く生徒役にはマッチ、ヨッちゃんもいるのですが、ほぼトシちゃんがメインとなっています。 それにしても、とにかくトシちゃんすげー大人っぽいです。後の映画「スニーカーぶるーす」や「ハイティーンブギ」でも影のある寂し気な役をやってますが、その原点がここにあると言っても過言ではないくらいです。 (視聴率17.2%)
■第20話「卒業十日前の初恋」(田原俊彦)
名取裕子演じる悦子先生に惚れる生徒役を好演しているトシちゃん。11話で悦子先生にマフラーを借りて嬉しそうなトシちゃんでしたが、あれが好きなったきっかけだったんでしょうか? 男には非常によく理解できますね。自分の気持ちに全く気付いてくれない悦子先生に対し、正治(トシ)が「独りよがりで無神経で…」と皮肉を言っているのにまだ気づかない悦子先生。 「海へ一緒に行こう」と誘うものの断われてしまうのですが、自分の中でやっぱり悦子先生が好きな気持ちを純粋に大切にしてるトシちゃんの演技が非常に良いです。 そうそう、悦子先生の写真が入った生徒手帳を麗子(三原じゅん子)が拾って、何もなかったかのように金八に渡すシーンには印象的。あれはきっと麗子はトシのことが好きだったのではと思わせる名演技ですね。 (視聴率33.1%)
■番組基本情報
制作年 : 1979年
全話数 : 23話
制作 : TBS
プロデューサー : 柳井満
ディレクター・監督 : 佐藤虔一、高畠豊、竹之下寛次、生野慈朗
脚本 : 小山内美江子
主題歌 : 贈る言葉
歌手 : 海援隊