[映画]ウィーン物語 ジェミニ・YとS
■Description
田原俊彦主演第2弾でたのきんスーパーヒットシリーズ第5弾。
シリーズ初の青春サスペンス「ウィーン物語ジェミニ・YとS」は、音楽と芸術の都ウィーンでロケが行われ、
宿命の星の下に生まれた双子の兄と弟の謎を描いた作品。本作でトシは一人二役に挑戦。
■Movie Info
公開:1982年12月18日
配給:東宝
監督:河崎義祐
脚本:高橋玄洋/藤公之介/牧野和子
主題歌:田原俊彦「ラブ・シュプール」
配給収入:11.0億円(1983年度 邦画6位)
■Soundtrack
本作のサントラは発売されていないが、田原俊彦の「TOSHI THE MOVIE」に「頬に風を感じて」のオリジナル曲が収録されている。
▼映画挿入歌
「双子座(ジェミニ)の恋人たち」田原俊彦
「頬に風を感じて」田原俊彦
「瞬間BEAUTIFUL」近藤真彦
「哀愁DIARY」田原俊彦
「ラブ・シュプール」田原俊彦
■Story
ウィーンの都。若草俊一(田原俊彦)は音楽留学生としてこの街に来ており親友の入江豊(野村義男)もここでケーキ職人の修業をしている。二人は養護施設の出身だ。
ヨーロッパ一人旅を楽しむ柴田隼人(近藤真彦)は、姉の京子を訪ねウィーンにやって来た。隼人は京子の紹介で、ウィーン屈指の名門、ローテンベルグ家の一人息子、ヨハネス・ローテンベルグ(田原俊彦)の日本語の家庭教師をすることになった。ヨハネスは日本人とのハーフだった。
俊一がバイトをしている酒場に隼人、ヨハネスとガールフレンドのカタリーナがやってきた。自分と瓜二つのヨハネスの姿を見て、俊一は愕然とする。その時、ヨハネスは何者かに連れ去られた。
一方、隼人とカタリーナは、俊一がヨハネスにソックリなのに驚かされた。その俊一が店の帰路、数人の男たちに襲われた。意識が戻った俊一は、そこがローテンベルグ家であることに気づく。そして、日本人執事、ミスター・ブンは非礼を詑びると、日本にあるローテンベルグ家の家宝のツィターを探してほしいと依頼する。それは、ヨハネスのローテンベルグ家継承の儀式に絶対に必要であるらしい。その儀式は一ヵ月後に迫っていた。十八年前、ヨハネスの母、綾子は、夫の亡き後、義妹のソフィアに追われるようにして、ツィターと共に日本へ去ったという。
ミスターブンの依頼を受けて日本へ戻った俊一を、豊の妹の由美が待っていた。ツィターの行方を捜す俊一と由美。
それは綾子の足取りを追うことでもあった・・・。
18年前、心のバランスを失い、亡き夫のとの想い出の地を訪ね歩いていた綾子は、鎌倉で哀しい最期をとげていたのだった。
そして綾子の墓石のある寺にツィターがあった。
ツィターの中に隠されていた1枚の写真から、俊一とヨハネスが双子の兄弟であることが分った。十八年前、綾子は俊一ひとりを連れて日本に帰ってきたのだ。
綾子の墓前に立つ俊一の胸には、孤児として育った20年の苦い想いが溢れ、涙が止め処なく流れおちていった・・・。
再びウィーンに戻った俊一は何者かに尾行されていることに気付き、ツィターを豊に預け、ミスターブンと会う。
しかし、俊一の問いに対してミスターブンは何も答えようとしない・・・。
彼は何も話そうとせず、俊一にウィーンから早く立ち去れと警告する。ヨハネスを拉致し、俊一を尾行する犯人の正体は果たしてミスターブンなのか?
豊は何者かに襲われ、ツィターを奪われていた。
その頃、ヨハネスとカタリーナはクロイゼンシュタインの古城に監禁されていた。俊一、隼人、豊はツィターを取り戻すことに成功する。
しかし、ミスター・ブンにより俊一は監禁されてしまう。ミスター・ブンはクロイゼンシュタイン城へ向った。隼人、豊、ミスター・ブンはヨハネスとカタリーナを救出する。
その日はヨハネスのローテンベルグ家継承の儀式が行なわれる日で、俊一は、ヨハネスになりすまし、彼を待っていた。そこへ、ヨハネス、カタリーナ、隼人、豊がやって来た。
祝宴の舞踏会の華やかな音楽が流れる中、兄の俊一と弟のヨハネスは十八年ぶりにめぐり逢った。そこへ一発の銃声! しかし、俊一の傷はあさく、事なきを得た。
すべてはローテンベルグ家を乗取ろうとするソフィアの仕業だった。...

■Appendix -プロダクションノート-
<ウィーン到着>
映画の舞台ウィーンに到着したトシ、マッチ、ヨッちゃん。到着早々にザ・ベストテンの収録が終わると、トシとヨっちゃんのウィーン空港で電話をかけるシーンからスタート。
午後からはウィーン郊外でBMWのサイドカーをぶっ飛ばすシーンが撮影された。憧れのBMWにマッチは大興奮だった様子。
<ケーキ屋職人ヨッちゃん!?>
ケーキ職人の修行をするヨっちゃんの撮影が、世界的に有名なオバーラのケーキ工場で実施された。
昼休みにはケーキ工場の庭で地元の少年たちにスケートボードの腕前を披露し大喝采をうけたとか。
<トシとマッチのケンカシーン撮影>
プラター乗馬クラブでトシとマッチのケンカシーンが撮影されたが、真剣勝負でのケンカシーン撮影に勢い余ったトシのパンチがマッチの顔面を直撃。
「目から火花が出た~」とマッチの悲痛なコメント。
その後、トシとマッチが2人で一頭の裸馬に乗って暴走するシーン撮影では、トシが右手だけで馬を操る設定でのぶっつけ本番で大成功。必死の撮影に2人の心臓はバクバクだったとか・・・。
<ドナウ川へのダイビング>
トシとマッチが謎の追手から逃げる際に遊覧船からドナウ川へダイブするシーンが撮影された。川の水温が低く、流れの速さに、トシは「恐いよ~」、
マッチは「ヨっちゃん助けて~」とのコメント。心臓麻痺にならぬよう左胸にはワセリンを塗ってのダイビング。あっという間に川に流されるトシとマッチだったが、
船から投げられた浮輪に捕まりVサイン!最高の緊張と興奮が高まる撮影だったとのこと。
<ウィーン市の協力>
カール教会でトシとヒロコがお祈りするシーンを撮影ではウィーン少年合唱団も出演。その天使の歌声にみんなウットリ。
夜は市内の地下水道でのミステリアスシーンの撮影が行われたが、今回のためにウィーン市は事前に地下水道を大掃除してくれたのことで、河崎監督をはじめとする
スタッフは大感激だった。
キンスキーバレースでのレセプションでは、ウィーン市から特大レコード型のチョコがたのきん3人に贈られ、地元TV局や新聞社が取材にやってくる歓迎ぶり。
感謝を込めてトシは「原宿キッス」、マッチは「ハイティーン・ブギ」を歌い、贈呈されたチョコはウィーン市の施設に子供に贈るというたのきん3人に、またもやウィーン市から拍手喝采。
<アクショントラブル!?>
クロイツェンシュタインの城では映画の見せ場でもあったアクションシーンが撮影された。
城壁から飛び降りるマッチを追いかけて、ヨッちゃんが飛び降りるときにマッチの悲鳴・・・。タイミング狂ってヨっちゃんがマッチの右足の上に飛び降りるというアクシデント。
マッチの右足捻挫にスタッフも冷や汗だったが、湿布をぐるぐる巻きしてアクションシーンをこなすマッチにスタッフも拍手。
トシは撮影と並行して、ドイツ語と舞踏会で踊るワルツのレッスンをこなしながらも、スタッフに「もう少し、頑張ろう」と声をかけるなど現場の雰囲気を盛り上げていた。
<日本帰国後ロケ>
ウィーンからの帰国後は、鎌倉で俊一がヨハネスの母の行方を訪ね歩くシーンのトシの撮影が行われ、現場は予想以上のファンが集まり、ウィーンよりも撮影が難航。
また、北海道大雪山ではスキーシーンの撮影が行われ、トシの華麗なスキーの滑りに拍手喝采。しかし撮影の合間に雪玉を投げつける悪ガキぶりは健在だったとか。
