[映画] ハイティーン・ブギ
■Description
近藤真彦主演第3弾でたのきんスーパーヒットシリーズ第4弾。3人共に横浜の暴走族スケルトンズのメンバーである設定。
バイクシーンやケンカシーンなどの激しいシーンや、バンド活動での音楽性の高いシーンもあり、ストーリーも含めたのきん映画の中で最も内容、興行成績ともに高かった作品。
後藤ゆきお(作)・牧野和子(画)による同名漫画をもとに、舛田利雄が脚色(永原秀一と共同)・監督。
マッチはこの映画のために6kgダイエットする気合いの入れ様だったとのこと。
本作でのトシの影のある役柄も見どころ。
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■Movie Info
公開:1982年8月7日
配給:東宝
監督:舛田利雄
原作:後藤ゆきお/牧野和子
主題歌:近藤真彦「ハイティーン・ブギ」
配給収入:18.0億円(1982年度 邦画2位)
■Soundtrack
本作のサントラは発売されていないが、田原俊彦の「TOSHI THE MOVIE」に「あ・ら・しのLong run」、「重のバラード」のオリジナル曲が収録されている。
▼映画挿入歌
「ハイティーン・ブギ」近藤真彦
「MOMOKO」近藤真彦
「カモンロッキンロード」近藤真彦
「あ・ら・しのLong run」近藤真彦&田原俊彦
「重のバラード」田原俊彦
■Story
藤丸翔(近藤真彦)は、父や再婚した家族と離れて暮し、その孤独を、ハマの暴走族スケルトンズのリーダーとしてスピードでまぎらわしていた。
ある日、敵対する暴走族ブラックウルフに喧嘩を売られ翔は大ケガを負う。血を流す翔は通りかかった桃子(武田久美子)に助けられ、一目惚れしてしまう。
翔につきまとわれ迷惑する桃子は、リーゼントを切って暴走族を辞めたらつきあってやると言うと、彼女に夢中な翔は言う通りにしてしまう。
親友の重(田原俊彦)やサミー(野村義男)のショックは大きかった。翔が好きだった未樹(三原順子)は桃子を憎み、スケルトンズを使って襲わせた。
サミーも重もメンバーを止めることはできなかったのだ。現場に駆けつけた翔は重にとびかかる。プロボクサーの重がパンチを返すと、それは空を切り固い壁に叩きつけられ鈍い音をたてた。
一方、翔は桃子と同棲を始めるが怒った父、幸一郎がマンションを売り払ってしまう。
坊っちゃん育ちで高校中退の翔には仕事もなく、二人は苦しい生活を続ける。その頃、重はスケルトンズを解散、ボクサーの夢を捨てて、ライダーを目ざしていた。
桃子の就職先が見つかるが、翔と桃子は貯金を崩しながら苦しい生活を続けているとき、サミーが翔にガソリンスタンドの仕事を見つけアパートを紹介し、ようやく2人にとって平和な生活が訪れた。
そんなとき桃子が妊娠していることが分った。あの事件のときに出来たのだ。
翔は桃子に「堕ろすんだ!」と叫ぶと、アパートを出て夜の街をさまよう・・・。
自暴自棄になった翔を宿敵暴走族のブラックウルフの連中が見つけ殴りかかってきた。
そこへ、重が現れ、翔を助けた。
怪我を負い入院した翔を一晩中看病する桃子に、翔は子供を自分の子として育てる決心をする。
サミーはガソリンスタンドをクビになった翔を自分のバンドに誘い、ロックコンテストに向けて始動した。
その頃、幸一郎は桃子を訪ね、翔を二年間アメリカ留学させ、それから結婚を認めると話す。その夜、桃子は翔の元をそっと去って行った。
ロックコンテストの会場で、翔は満員の客席に桃子を見つけ、ステージで「MOMOKO」を熱唱する。会場の裏ではステージを壊そうとやって来た未樹や八木たちと重が一人で闘っていた。そして、重の拳はまたしても不吉な音をたてた。歌が終り、席を立つ桃子を追い、翔は強く抱きしめた。翔のバンドはグランプリを受けた。
数日後、全日本グランプリサーキットで、重は先頭を走っていた。
だが、右手の利かない重はコーナーリングに失敗、マシンから放り出された体が飛翔していく。

■Appendix -プロダクションノート-
<映画クランクイン>
1982年4月29日クランクイン。
ロケ現場は「ただいま放課後」の撮影が行われた神奈川県厚木市の東京工芸大学。
本撮影はマッチ一人の予定だったが、トシとヨっちゃんも予告編の撮影をかねて合流。小雨の中、3人がバイクに乗るシーンだったが、バイクの扱いに慣れていない
スタッフを助けたのが、バイク屋のヨっちゃんだったとか。ヨっちゃんのお陰で予告編の撮影も無事に終了。
<伊勢崎町ロケ>
チンピラに絡まれた桃子を翔が助けるシーンが撮影された。テストでは遠慮気味だったマッチも、舛田監督の「思い切り蹴っ飛ばせ!」の一言で本番では本気の飛び蹴り。
マッチ本人には蹴っ飛ばした相手にひたすら謝ってたとか。
<本牧の倉庫ロケ>
本牧の倉庫にて翔と重の乱闘シーンを撮影。
マッチとトシは汗にまみれ、ホコリにまみれながら、アザだらけになる本気の大熱演。この2人に圧倒されたヨっちゃんは、動きをドジってマッチにぶつかるわ、セリフはトチるわ・・・。厳しい
舛田監督から「しっかりせんか!野村!」と大目玉をくらったとか?
夜は拳を潰し、ボクサーの夢を絶たれた重が、ボクシンググローブを海に投げ捨てるシーンが撮影された。この場面で重が流す涙は本物。役にかけるトシの気持ちが実際の映画からも伝わってくる・・・。
<ガソリンスタンドでの撮影>
横浜三ツ沢で、翔とサミーがガソリンスタンドで働くシーンを撮影。
ガソリンスタンドのシーンでは三原順子演じる美樹が翔に、桃子が妊娠していることを告げ、翔が驚き美樹を殴るシーンが印象的。
<暴走族激闘シーン>
富士のすそ野にバイク100台を集め、スケルトンズとブラックウルフの激闘シーンが撮影された。
マッチ、トシ、ヨっちゃんの3人はバイクなら任せてと危険がいっぱいのアクションシーンに大張り切り。しかし火山灰の影響で後輪が空回りして転倒したり大苦戦。
<ミュージカルシーン>
エンディング部分のミュージカルシーンの撮影では、ヨっちゃんの手が武田久美子の鼻を直撃したり、マッチが踊りを間違えたりと中々息が合わなかったが、最後には
ビシッと決めてダイナミックなエンディングの撮影が完成。夜間は、ブラックウルフに襲われた翔を重が救うシーンが撮影された。