[映画]三等高校生
■Description
野村義男の第一回主演映画。たのきん映画『ウィーン物語 ジェミニ・YとS』の同時上映として公開された。
富士山の見える地方の高校を舞台に、ともに熱気球づくりに励みながらも、いつも喧嘩ばかりしている高校3年生の透(野村義男)と、数学教師の菊池(田中邦衛)。その二人のことが好きだという女性が現れて……。
ヨッちゃんこと野村義男が、それまでの“たのきん“映画から独立、一本立ちをした青春映画。
どうせならヨッちゃんの魅力を100%引き出すためにも、ギターを弾くシーンがあるような青春音楽映画にしてほしかったなぁと思いつつ、やっぱり本作では一切ギターは弾いておりません・・・。
ちなみに同じジャニーズ事務所の川崎麻世、シブがき隊が友情出演し、早見優がヒロイン役で出演。
また本作の主題歌は野村義男が唄う「待たせてSorry」。こちらはアルバムとしても発売。
■Movie Info
公開:1982年12月18日
配給:東宝
監督:渡邊祐介
原作:赤松光夫「三等高校生」秋元文庫
主題歌:野村義男「待たせてSorry」
■Story
富士ヶ丘高校三年、杉田透(野村義男)の最大のケンカ友達は数学教師の菊池重吉(田中邦衛)だ。
その日も、透が志望を東大から、ガールフレンド、村松美緒の引っ越し先の島根の大学に変更したため、二人は大喧嘩を始める。
透と仲間の園地、高木、上杉は、穴に自動車の車輪を落として困っている女性を助けた。
水谷みどりというその女性は、東京の芸大を出て、焼き物の勉強をするために、この町で窯元をする伯父のところに来ており、彼女の妹の梨江も透の高校に転校してきたという。
透たち四人と重吉は熱気球を飛ばそうという夢があるが、うまく事は運ばないでいる。
重吉のことを、同僚の竹久みち子先生が思いを寄せているが、重吉はそんなことはぜんぜん気づかない。数日後、透はみどりのお伴で、溶岩採集で山に昇ることになった。
引きあげようとするとき、みどりは崖から足を滑らせてしまう。透は気を失ったみどりを背負って山小屋に避難した。気を失って横たわる年上の女性を見つめる透の胸はときめいた。
一方、重吉はみどりから「あなたが初恋の人」と告白され、天にも昇る気持ちだ。実は重吉はみどりの家庭教師をしていたのだ。そんなことを知らない透は、自分とみどり、重吉と竹久先生のダブルデートを企んで大失敗をしてしまう。数日後、透は暴走族の並川と勝負をして三万円をせしめた。その金で熱気球に必要な計器を買い、重吉にプレゼントする。
ところが、梨江がその金の出所を話してしまい、怒った重吉は完成目前の熱気球を破壊してしまう。険悪な四人と重吉の間に、みどりが割って入り、重吉が一週間後に北海道の高校に転勤することを告げる。
「なんで早く言わないんだ!」と透は重吉に殴りかかった。それから一週間、みどりと四人の急ピッチの熱気球作りが始まった。
富士山の裾野では、作業服を着たみどり、四人、梨江、並川たちが熱気球を上げる準備をしていた。ふくらみ始めた熱気球を見上げる重吉の目は、心なしかうるんでいた。
