[映画] 青春グラフィティ スニーカーぶる~す
■Description
近藤真彦デビュー記念作品でたのきんスーパーヒットシリーズ第1弾。硬い友情で結ばれた定時制高校に通う三人の若者の姿を描く。
ドラマ「3年B組金八先生」「ただいま放課後」の後の初出演映画ということで、たのきん3人の魅力が存分に発揮されている作品。
単なるアイドル映画と評されることもあるが、本作では定時制高校に通う若者の友情、夢、悩み、葛藤が表現されていて、青春映画としての質は高い。
川崎真世も友情出演しており、マッチの姉として岡田奈々、その恋人役におりも正夫が出演し脇を固めている。
■Movie Info
公開:1981年2月11日
配給:東宝
監督:河崎義祐
脚本:田波靖男/安斉あゆ子
主題歌:近藤真彦「スニーカーぶる〜す」
配給収入:11億円(1981年度 邦画9位)
■Story
昌也(近藤真彦)、洋一(野村義男)、敏夫(田原俊彦)は昼間は働きながら定時制高校に通う三人はそれぞれ大きな夢を持っていた。
昌也の夢はシンガー・ソングライター、洋一はカメラマン、そして敏夫は野球部のピッチャーとして甲子園に出場することだった。
三人はそれぞれ違う職場で働きながら夢をはぐくんでいた。
夢多き青春。しかし不幸はあまりにも突然訪れた。
同じ野球部でバッテリーを組む昌也と敏夫だったが、ある日、昌也は、敏夫により多くピッチング練習が出来るようにと、ガソリンスタンドで仕事する彼の仕事を引き受け、ガソリンの配送中に交通事故を起してしまう・・・。
勤務先の修理工場をクビになり、事故の相手から損害賠償を請求される昌也。昌也の姉の由美やその恋人の石崎も何とかしようとするが金の工面がつかなかった・・・。
洋一は敏夫が金のために平和建設に入ったと思っていたが、口止めされていて昌也の誤解をとくことができない。
やがて昌也と敏夫は絶交状態となる。
昌也は石崎の紹介で富士サファリパークの飼育係として働くことになった。上司の三田は昌也をしごき、こきつかう。ことごとく反抗する昌也。
そんなある日、ライオンの子が病気になり、献身的に看病する三田の姿を見て、昌也は彼の厳しさを理解する。
敏夫のことを後悔する昌也は、敏夫の残した詞に曲をつけ、ラジオ局のコンクールに出場した。
二人の共作“スニーカーぶるーす”が決勝進出を決めた日、昌也は洋一から敏夫が暴力団の仲間にひきずり込まれ、苦境におち入っていることを知らされる。 敏夫は昌也を助けるために、暴力団の経営する相川商事から金を借り、窃盗グループの手伝いをさせられているのだった。
昌也はラジオを通じ行方の知れぬ敏夫に呼びかけた。 たまたまラジオから昌也のメッセージを聞いた敏夫は、昌也に連絡しようとするところを相川に警察に通報したと誤解され暴力団からリンチを受ける。 逃げる敏夫を相川と配下の者が追う。
相川の本拠に駆けつけた昌也と洋一は敏夫を助けるが、三人は相川の配下の暴走族に囲まれてしまう。死物狂いの激闘の果て、敏夫のオートバイと相川の車が正面衝突する。「きこえるぜ、おまえの曲が……」と言い残し、敏夫は昌也と洋一に抱かれ息絶える。
数日後、敏夫の夢であった甲子園で二人だけの葬式が行なわれた。敏夫の名を呼ぶ昌也と洋一の瞳から涙が流れ落ちていた。