[田原俊彦]85'~86'シングル解説
㉑銀河の神話(1985.02.01)
■作詞:吉田美奈子/作曲:呉田軽穂
■売上枚数:14.8万枚(オリコン2位/年間84位)
本曲の作曲は呉田軽穂(=松任谷由実)で編曲は松任谷正隆というコンビによるもの。
曲の世界観がなんともメルヘンチック&スペースワールド!?といった印象を持つのですが、ファンにとって好きな方は好きなんでしょうが、
個人的には印象が薄く、トシにはもっとダンサンブルな曲を歌ってほしいと感じてました。しかし、トシだから歌いこなせる曲というのも事実です。
㉒堕ちないでマドンナ(1985.05.16)
■作詞:佐藤ありす/作曲:佐藤健
■売上枚数:16.4万枚(オリコン3位/年間72位)
1984年に発売されたPhil Collinsの「Easy Lover」にサビがそっくりなのが気になりますが、まあそんなことは気にせず、前作の「銀河の神話」に比べてトシらしい明るくポップな楽曲に仕上がっています。
■夏ざかりほの字組(1985.7.21)
■作詞: 阿久悠/作曲:筒美京平
■売上枚数:20.1万枚(オリコン5位/年間54位)
同じレコード会社に所属し、日本テレビ系列『カックラキン大放送!!』など各局の音楽番組で共演していた田原俊彦と研ナオコがToshi & Naoko名義でリリースしたシングル。
独特の世界観による定番デュエットソングとして今もなおファンの間では根強い人気曲で、息の合った振り付けとコーラスが絶妙でした。当時のベストテンやトップテンなどの歌番組では、
互いのスケジュールがなかなか合わず、中継をつなぎ合わせて歌うこともしばしば・・・。
ちなみに「ほの字」とは惚れるという意味。
この曲の発売から19年後、2004年に二人は「田原俊彦&研ナオコ」名義で「恋すれどシャナナ」を発売。
㉓華麗なる賭け(1985.8.14)
■作詞:吉元由美/作曲:久保田利伸
■売上枚数:12.0万枚(オリコン1位/年間99位)
作曲に、まだデビューブレイク前の新鋭久保田利伸を起用し、ノリの良い仕上がりで「顔に書いた恋愛小説」以来、1年ぶりにオリコンチャート週間首位を獲得。
本曲を聴いて、やっぱりトシにはミディアムテンポの曲よりも、ダンサンブルな曲が似合うなぁと感じた1曲でした。
㉔It's BAD(1985.11.28)
■作詞:松本一起/作曲:久保田利伸
■売上枚数:11.5万枚(オリコン4位)
当時この曲を初めて聴いた時、今ままでにないダンサンブルな雰囲気と、ラップ超の歌い方に鳥肌が立つほど衝撃を受けたのを覚えています。
トシのダンスと久保田利伸のグルーブ感がマッチしていてたまりません…もうとにかくカッコいいの一言に尽きる楽曲に仕上がっています。
ダンス的には間奏にタップダンスを取り入れながらも、後半にはロックダンス的な要素を入れるなど、
まるでディスコのダンスフロアで自由に踊りまわるトシを垣間見るかのように、トシのシングル曲なの中で最も多彩なダンスを魅せてくれています。
衣装もグリーンと赤のベロアスーツの2パターンありました。
前作「華麗なる賭け」の作曲を手掛けた久保田利伸に「Olympicは火の車」の提供を希望したトシに応えて、久保田が新たに提供したのが本曲であったことは有名で、
J-POPにラップを取り入れた先駆けの曲としても有名。
㉕Hardにやさしく(1986.3.5)
■作詞:阿久悠/作曲:林哲司
■売上枚数:7.1万枚(オリコン8位)
「騎士道」以来となる阿久悠作詞の曲。
前曲「It's BAD」から雰囲気も一変し、大人っぽいアダルトな曲に仕上がっています。
トレンチコートを衣装にまといながら歌う姿が印象的でした。
㉖ベルエポックによろしく-WHAT'S 55-(1986.6.19)
■作詞:阿久悠/作曲:宇崎竜童
■売上枚数:7.7万枚(オリコン2位)
今聴いてもカッコいいです。歌手デビューから「7周年記念シングル」として発売。本曲から阿久悠&宇崎竜童プロデュースにて、トシの『男らしさ』という新たな一面を引き出していきます。
副題タイトルとして「-WHAT'S 55-」とあるように1955年当時のヒリヒリした雰囲気が作詞に反映されていて、
当時小学生だった私には、「♪ドライジンを回し飲み 天国みたいな夢をみた ♪スポーツみたいなキスをした」「♪スクリュードライバー回して 悪党ぶったカップルでヒリヒリするような恋をした」とか、
意味が分かんないのにカッコよさだけ認めてました。なお、歌の演出には足の部分が半球になったスタンドマイクを前後左右に振りながら歌うのが新鮮で、まるでトシと一緒にマイクスタンドまで踊ってるかのような演出でした。
㉗あっ(1986.9.21)
■作詞:阿久悠/作曲:宇崎竜童
■売上枚数:7.5万枚(オリコン3位)
この曲が発売された際には作詞家、阿久悠の自伝的小説を映画化した「瀬戸内少年野球団・青春篇 最後の楽園」の主役に抜擢され、短髪で映画に挑んだトシだったため、
歌番組でも短髪にスーツという大人っぽい印象があるが、実は本曲のプロモーションビデオは全編モノクロでフランス映画のような仕上がっててクリエイティブの高さが評価できる。
